オーガナイザーの心得
私の思うオーガナイザーとしての心得を述べておきたい。しかし、これはオーガナイザーを経験した私の勝手な考えなので必ずしも正しいとは言えない。
オーガナイザーの仕事は極論、三つだけだと思う。
(1)「タスク」だけでなく「人」のマネージメントをしっかりとする
チームは人で成り立っている。メンバーが崩れれば、運営は回らなくなり、チームは確実に崩壊する。だからこそ、人のマネージメントは重要だと思う。
1年間も運営をしていれば、必ずメンバーの心の変化を見ることになる。それがポジティブなものならいいのだが、問題はネガティブな場合だ。「最近、彼は元気がないな」「最近、彼女を見かけないな」といったことを感じたら、それは黄色信号と思ったほうがいい。放置すればチームにも迷惑がかかるし、時には運営を抜けたいと言ってくることもある。そういった場合には必ず放置せず、こちらから気にかけてあげるべきだ。
また、私はたまにメンバー全員とone to oneという時間を設けるようにしていた。one to oneは1対1の簡単な面談であり、運営の話から大学の話までラフに話す時間を設けていた。この面談は今思えば、信頼関係を作るには非常に良かった。
(2)様々なパターンを考えておく
最初立てた計画通りにことが運ぶのはほぼないだろう。必ず予定から遅れが出てきたり、目標が達成されなかったりする。例えば、目標金額の100万円が集まらなかったらどうするか、メンバーが集まらなかったらどうするか、そういったことについてどう対処すべきかシミュレーションをしておくといい。そうすることで決断が早くなる。
(3)すべての責任を取る
これはとても重いが、オーガナイザーは誰よりも責任がある。TED側からライセンスを受けたのもオーガナイザーで、イベント実行の中心にいるのもオーガナイザーである。そんなイベントのためにパートナーは資金援助までしてくれる。そして、メンバーが運営に割いている時間、言い方を変えれば彼らの貴重な時間を搾取しているのもオーガナイザーであると私は思っていた。
TEDxイベントは本当に多くの人が関わっている。だから、適当な運営は許されないのだ。サークル感覚で向き合うようではオーガナイザー失格である。
ライセンス取得準備から本番まで約1年をかけた経験は貴重なものであり、その時に一緒に運営を行ってくれた35名のメンバーはかけがえのない仲間である。これは決して、私の率いたチームだけの話ではなく、世界160カ国以上で行われているTEDxイベントの運営団体のほとんどに当てはまるのではないだろうか。
TEDxイベントでは運営スタッフ、スピーカー、参加者、企業、地域が一体となって開催し、そこから得られる経験や創造される価値は非常に大きい。発掘したアイデアはスピーカーのトークを通して発信され、ネットを通じて世界の誰かの人生を変える可能性だってある。そんな素晴らしいイベントをもっと多くの地域でぜひ開催して欲しいのが私の願いである。
私はTEDxShimaneUのクロージングで最後こんな話をした。それはTEDxShimaneUをしたいと考えた時、頭の中に浮かんだ画は不思議にもクロージングで自分が舞台に立っている瞬間だったということ。まさに自分はその場に立っていた。しかし、終わりこそ想像できたが、運営は想像を超えるものであった。
ただ、オーガナイザーとして運営に関われたことは紛れもない財産だった。
リーダーとしての考え方や姿勢、仕事と人の両方のマネージメント、そして責任を持つということの大変さ。枚挙に暇がないが、それらを教えてくれたのはメンバーであり、周りから支えてくれた大人である。
どれだけ大変でもTEDxの運営を続けられたのは、島根大学において地域や大学のために学生が成長できる唯一の成長インフラであると信じてきたからだ。メンバーの成長こそ私にとって、かけがえのない喜びだった。
すべての経験は将来、きっと活きると信じている。
最後に私が尊敬する先生にTEDxを始める時に言われた言葉を書いて終わりにしたいと思う。
フォロワーというのは最初少なくても必ず増えてくる。私がその最初のフォロワーになります
正しく活動していれば、誰かはきっと見てくれていて、自然と周りに人は集まってきて協力してくれる。だから、それまでは少ないフォロワーでも頑張って欲しい。この記事を見て、TEDxのオーガナイザーを志した人がいるなら、私はあなたのファーストフォロワーを買って出たい。
今回、TEDx運営手引きの内容チェックに関わってくださった皆さま、本当にありがとうございました。おかげさまで、無事に最終章まで投稿することができました。
そして、ここまで読んでいただいた読者の皆さんも本当にありがとうございました。
もし、質問があれば遠慮なく連絡ください。
それでは!
樋口の小言
【アウトプットとインプットの場】
TEDxは運営やイベントの質を高めようと思えば、いくらでも高めることができる。言うなれば、「好きなだけやりたいことをやれる環境」が整っていると言えた。そういった意味ではアウトプットの場としてとても適していると思う。例えば、パートナー交渉1つとっても、適当にやることもできるが、戦略を組んで何度も練習して心に響く最適な言葉を選んで...と、いくらでも努力のしようがあるし、努力しただけ力になる。こういった場は、大学ではなかなかないのではなかろうか。
しかし、アウトプットには必ずインプットが必要になる。この2つの関係は切っても切り離せない。では、いつインプットすべきか?それはいたって簡単である。アウトプットするためにインプットすればいい。つまり、運営をしながら常に本を読んだり、勉強してインプットする必要もある。そして、TEDxではそのインプットした内容をすぐにアウトプットできるのだ。
初めまして、藁科と申します。
返信削除突然のメッセージをお許しください。
弊社代表がTEDx を主催もしくはスピーカーとして登壇を希望しており、
ひぐちさまのTEDxのページを見てご連絡させていただきました。
ブログを拝読させていただき、学ばせていただいております。
TEDxの問い合わせ先を探しましたが、見当たらず、
もしご存知でしたら以下の点について、ご教示いただけますと幸いです。
自分で開催して登壇する場合、
Tedグッズ(垂れ幕など)はレンタルできるのでしょうか?
お忙しいところ恐れ入りますが、お返事をお待ちしております。