第2章はライセンス申請前の注意と申請のための準備についてである。
まだ、第1章を読んでいない方は先にそっちを読んでみて欲しい。
【第1章】TEDx運営手引き はじめに
TEDx開催までの流れ
TEDx開催までの流れは以下の通りである。
ライセンス取得までの流れを以下の四つに分けて説明したい。
①
気をつけるべきこと
②
申請のための下準備
③
ライセンスの申請
④
ライセンス申請後
また、ライセンス申請やTED本部のやり取りなどは基本的にすべて英語である。
まず、気をつけて欲しいことがある。
それはTEDが定めるルール(TEDx Rules)である。
これは申請前から運営中、本番、本番後までずっと守り続けなければならないものである。もし、このTEDx Rulesに違反すればライセンスの取り消しや、ライセンスの再申請が通らずに後輩たちがTEDxイベントをできない事態になる可能性がある。なので、Organizer responsibilities やTEDx Organizer Guide に必ず目を通し、違反しないように注意を払う必要がある。
特にライセンス取得前にあるルールの違反例としては、TEDxのロゴを使用したり、すでに運営団体として資金集めなどの活動を開始してしまうケースである。しかし、大前提としてライセンスが取得できるまではTEDx〇〇のような団体名・イベント名で活動をしてはならない。
恥ずかしながら私もこのルールを知らないまま、Facebook上でメンバー募集の投稿をしてしまったことがある。幸いにも他のTEDxのオーガナイザーの方が私の投稿を見つけ、親切にもメッセージで注意をしてくださった。
オーガナイザーになろうと考えている方はぜひ、ルールには細心の注意を払って欲しい。
下準備として最低限、三つのことをしておくといいだろう。
(1) TEDx Clubを作ろう
TEDx ClubとはTED Talksを見たり、TEDx ライセンスの取得などについて考えるTED本部が認める集まりである。TEDxShimaneU 2017でも最初はTED Talks視聴会やTEDxルール勉強会、他にもライセンス取得してからの運営方法を考える戦略会議などをして、水面下で基盤作りをしていた。これによりライセンス取得後にスムーズに運営を開始できた。
なので、TEDx Clubを作り、ライセンス取得前からあらかじめ中心メンバーとして運営をしてくれそうな人を何名か集めておくといい。ライセンス申請に必要なことや、ライセンス取得後の動きなどを決めておくと、運営をスムーズに進められる。
しかし、一つ注意して欲しいことがある。それはライセンス取得前にメンバーを「TEDx〇〇のコアメンバー募集!」のように大々的に募ってはならないということ。先述したように、ライセンス取得前にイベント名を名乗って活動することはルール上禁止である。
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjUj2iMM7T_UbA8g5Qnwp_8t0Vx4HsBZhouJyiv86_-ohiVKYEx_6WJ2l8IKELnqh0lbSrn8BgsUFSuPmPqBsKcQmFr2Ez1op1AnvrurXkdvmcUDNo37W7LFXw26Ex8ziNV7QhmSKpZ-Nc/s400/KIMG2271.JPG) |
島根大学でもTEDを鑑賞したりしていた |
(2) TEDxイベントのテーマやコンセプト、開催理由を固める
TEDxイベントを開催する理由やテーマなどをしっかりと考えておく必要がある。それらはライセンス申請時に説明する必要もあり、もちろんライセンス取得後に軸になる。こういった内容を(1)で述べたようなメンバーたちと話し合って決めておくと良い。
(3) 大学にイベント開催許可を取っておく(University
event)
これはUniversity eventのみに言えることだが、あらかじめ大学側にTEDxイベントの許可を取っておくと良い。その理由は二つある。
一つ目は、イベント名に大学名が入るから。おそらく、”TEDx”のあとには”ShimaneU”のような大学名がくる。つまり、大学名をイベント名に含むということで、最低限大学側の許可は取っておくほうがいい。
二つ目は、TED本部から大学の許可を取得しているのか質問される可能性があるから。実際に別の大学のオーガナイザーはライセンスの申請後に聞かれたらしい。
しかし、大学に許可を取ると言っても、どうやって許可を取るべきか?という疑問が湧いてくるだろう。残念なことに、多くの大学教員や職員はTEDやTEDxの存在を知らない。それがどれだけ世界的に有名で素晴らしいものだと言ってもなかなか伝わらないし、理解してもらうにも時間がかかる。
ならば、TEDやTEDxを知っている先生に頼ると良い。特に英語の先生は、ほぼ確実にTEDを知っている。そして、事情を話せば何かしら助けてくれるだろう。
私も最初は仲が良かった英語の授業をしていた外国人の先生に相談し、そこから国際関連の課の方を紹介され、紆余曲折あったが無事にイベント開催の許可を与えられた。
この大学の許可は決して、Mustなものではないが、後に大学との連携が大切になるので、ぜひ早い段階からイベントの存在を知らせておくことが大事である。
ライセンスはいきなり申請するのではなく、準備万端な状態で臨んで欲しい。
TEDxを運営する中で、他のTEDxチームの人達と繋がることは非常に大事である。つながることで、互いに運営に関しての情報交換や相談などもできる。
では、どうすれば他のTEDxの人と繋がれるか?もちろん、SNSやメールで連絡を取るのもありだが、まずはTEDxイベントに実際に足を運ぶことだ。もしかしたら、遠出しなければ日程的に行けない場所もあるかもしれないが、少し無理してでもイベントには参加してみることを勧める。実際に参加すれば、TEDxイベントの雰囲気も十二分にわかるし、運営をしている方たちと直接話すこともできる。特にTEDxイベントは、トーク聞くだけでなく、参加者が参加するアクテビティもあるので、そういったこともわかる。
私もライセンスを申請してからではあるが、TEDxKobeとTEDxOsakaUにParticipant(参加者)として参加させてもらった。ちなみによくある質問として、TEDxのオーガナイザーになるために、どこかのTEDxイベントでボランティア経験が必要か?と聞かれるが、答えはNoである。私はまったくどこのTEDxにも参加せず、ライセンスの申請を行った。しかし、できればこれもボランティアなどで運営に参加した方がベターであることに間違いはない。
これで第2章終了です。
次はいよいよライセンスの申請についてです!
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