TEDxイベントのチケットは高いのか?

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今年もTEDxShimaneUの開催が迫ってきました。 どうやら後輩たちも切羽詰まってきているよう・・・ 去年は初開催ということで大変でしたが、2年目もまた別の大変さがあるのだと思います。 さて、去年もそうでしたがなかなかチケットが思うように売れないという問題があるようです。他のTEDxイベントのチケット事情はわかりませんがTEDやTEDxの知名度が低い地域では起こりやすいのではないでしょうか? 運営側は毎日のように頭を捻って企画し、本当に素晴らしいと思えるスピーカーを選び、誰しもが参加したいと思えるようなイベントを目指すと思います。実際、どのTEDxイベントも非常に魅力的であることは間違いないです。 けれど、なぜかチケットが売れない。 もちろん、TEDxイベントを知らないからや、魅力的なスピーカーがいないからという理由もあるかもしれません。 しかし私が運営していて思ったのは、一番の原因だと思ったのは チケットの値段 です。 特に大学イベントだとオーディエンスとして多くの学生を呼びたいと思うものですが、全然チケット申し込みが来ないなんてことも。 「やっぱり学生にとってこの値段設定は高いのか...」と悩むこともありました。 そこで、そもそもTEDxイベントにおけるチケットの値段は妥当なのか、学生目線で書くことにします。 少しでもTEDxのこと、チケットのことへの理解を深めていただけると幸いです。      チケット値段比較 まずはじめに、自分なりにいくつかのTEDxイベントのチケット値段を調べてまとめてみました。 左:大学イベント 右:スタンダードイベント 大学イベントの学生料金は2600円程度が平均で、スタンダードイベントは倍近く高い。 全体的に見れば、2000円〜3000円のチケット代は決して高い値段設定ではないですよね。      なぜチケット代はバラバラなのか? 基本的にチケット代は予算による。運営していく中で思った以上にお金が集まることもあれば、逆に予想以上に出費がかさむこともあるからだ。TEDxShimaneU 2017ではその資金状況をみて値段設定していった。 また、重要なのはスポンサ...

【第7章】TEDx運営手引き パートナーチームへのアドバイス

   パートナーチームへのアドバイス

TEDxの運営において、スピーカーチームと並んで大変なチームがパートナーチームだ。

また、TEDxShimaneUではイベントを資金的または物資的に支援して、共にイベントを創ってくれる企業や団体をパートナーと呼んでいる。パートナーチームのメンバーは実際に企業に出向き、イベント内容をプレゼンし、交渉してくる。こういった営業のような経験は大学生にとって有意義だろう。

とはいえ、想像以上に苦戦を強いられるのが資金集めである。わたしたちの場合は最初、アポを取ることさえできなかった。地元企業にメールで連絡を取ってもほとんどスルーされてしまい、メールの後に電話をかけても、「担当の者が席を外しています」と対応されてばかりだった。

社会人は忙しいだけに、大学生と話す時間がないのも十分理解できる。しかし、そうは言っても、資金が集まらないのではイベントが開催できない。イベント開催のためにもパートナーを見つける必要がある。

TEDxイベントのパートナー探し、または交渉におけるアドバイスは以下の通りである。

(1)大学の後援を取ろう
資金集めにおいて、最も重要なのは企業にとってTEDxの運営団体が信頼できるかという点だ。企業側も信頼できない団体に資金援助ができるはずもない。だからこそ、パートナー探しをする前に大学の後援や協賛を取ることをお勧めしたい。後援があると、大学公認ということで企業側の信頼度が大きく変わってくる。

(2)粘り強くアポイントメントを取ろう
先述したように社会人は本当に忙しい。だから、正面からぶつかっていっても取り合ってくれないことが多い。
TEDxShimaneUでも最初はそうだった。そこで、年に一度行われる地域企業・団体が200近く集まる交流イベントに参加し、積極的にブースを訪れて名刺交換とTEDの説明をした。そして、好感触だった方には、もらった名刺からすぐに連絡しアポイントメントを取っていた。実際に交渉まで漕ぎ着け、パートナーになってもらえた企業もあった。
最初は本当にうまくいかないだろう。しかし、諦めずに粘り強く交渉の機会を伺えば、必ずやってくる。

(3)交渉の精度を高めよう
TEDxShimaneUでは交渉の時、企画書を持って行き、企業の方に向けてパワポを使ってプレゼンする。大事なことは、企画書とプレゼン両方の精度をしっかり高めることである。
TEDxShimaneUでは、企画書(詳細バージョンと1枚ものバージョンの両方)を作った。詳細verには他のTEDxイベントの事例などに触れたり、メンバーリストを載せる工夫などをし、1枚ものverは一目でTEDxShimaneUとは何かがわかるように作った。
また、プレゼンではしっかりと団体としての思いや考えを熱意を込めて伝える必要がある。特に、①なぜTEDxイベント開催に向けて運営し何を目指しているのか②パートナーになる企業側のメリットは何か、の二つを明確に説明しなければならない。何度も練習を重ねて交渉に向かおう。

(4)最大限つながりを活かそう
やみくもに企業に連絡をしても、その効率と生産性には限界がある。特に都市ではなく、比較的地方で企業の数も少ない地域では厳しい。
だからこそ、最大限つながりをしっかり活かして欲しい。企業に少しでも伝手がある人がいれば、紹介してもらう方が確実で話が早いことが多い。大学には地元企業と繋がっている人が必ずいる。そういった人に頼ることも大事である。もちろん、「イベントに資金が必要だから紹介して欲しい」といきなり話を出しても、それは難しいだろう。しっかりとイベントについて理解してもらったうえで、資金集めに苦労している旨を相談することだ。

大学のキャリアセンターに協力をお願いし、
名刺の渡し方などを学ぶマナー講座を実施した

   お金はどこにかかるのか?

お金の使い道について、少しだけ話しておく。

もちろん、イベントごとでどこにお金が一番かかったかは変わるだろう。

TEDxShimaneU 2017で、経費として大きかったのは撮影費と音響費、スピーカーへの交通費だった。特に撮影や音響に関してはプロの方達にお願いしたこともあり、40万円以上した。
また、スピーカーへの交通費も本番当日だけではなく、リハーサルにも来てもらったので3往復分だった(ルール上、出演料の支払いはできないが、交通費は出せる)。

ただし、撮影に関しては必ずしもプロにお願いする必要はない。ただ、イベント後にYouTubeにUpするので、その時の動画のクオリティーはプロに頼んだ方が担保されるだろう。
また、場所代は大学のホールを無料で借りたのでかかっていない。

資金は1万ドル (100万円程度) まで集められるが、うまくin-kind パートナーなどを活用すれば、もっと経費を抑えることができ、パートナーチームの仕事量を減らすことができるだろう。


   結局、最後は熱意と粘りと信頼

色々書いてきたが、資金集めはどのTEDx運営においても悩みの種になることが多い。

TEDxShimaneU 2017でも目標金額に到達できたのは、交渉に奔走してくれたパートナーチームと、地元企業を紹介してくれた周りの大人たちのおかげである。

しかし、先述したように本当に苦労することは間違いない。
だが、結局は3つのポイントが大事だと1年間の運営で感じた。

それは熱意粘り信頼である。

どれだけ熱意を持ってプレゼンができるか。
最初はうまくいかなくても投げやりにならず粘り強くいられるか。
そして、運営を愚直に続けていくことで周りの信頼を得られるか。

大変だと思うが諦めずに、ぜひ頑張って欲しい。

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